女性外来コラム
第12回 高齢出産にあたって


結婚しない女性がふえ、産まない女性が更にふえ、今や日本の人口構成は欧米にならい高齢化社会に傾いてきています。
そろそろ結婚して赤ちゃんがほしいなーと思う頃には35歳をすぎ、妊娠出産の頃には40歳に手が届くようになっています。

35歳になると高齢妊娠とよばれ、妊娠経過にも様々な悪条件が加わってきます。
子宮筋腫・子宮内膜症・妊娠中毒症・軟産道強靭・微弱陣痛そして帝王切開を選択することが多くなります。
ただそれ以前に、赤ちゃんの染色体異常の確率も増えてくるため、運悪ければ赤ちゃんの形になる前に流産することもあります。
流産しない赤ちゃんは、健康な赤ちゃんであることが期待されます。
妊娠経過が順調にいった場合、やはり赤ちゃんの健康度が気になるのも事実です。

ここで登場するのが遺伝カウンセラーです。
元来カウンセラーが担当するのは、遺伝病の素因のある家系からの出産というきわめて深刻な状況から高齢妊娠まで、対象は幅広くあります。
現在日本には、遺伝専門医は約600名そのうち産婦人科専門医は100名といわれ、まだまだ少ない状況です。
開業医レベルでは深刻なケースはあまりありませんが、高齢妊娠の相談がほとんどです。
たとえば40歳で出産すると、ダウン症候群の赤ちゃんの産まれる確立が1/100、一般的には1/500〜600と言われています。
もちろん羊水検査から、赤ちゃんの遺伝情報をえることは出来ます。
昔のように子沢山から、今は少人数の子供を手間ひまかけて育てる時代に変わってきています。
反面、この年齢になって授かった又は不妊治療の後、やっと授かった大切な赤ちゃんでもあるわけです。
ご両親にとっては、待ちに待った赤ちゃんなのです。

1/100をどう考えますか?
見方を変えて、99/100は健康な赤ちゃんと考えてはいかがですか?
羊水検査は、針をお腹から子宮に刺すわけですから、まったく安全な検査というわけではありません。
そしてその後の結果で、産まないことをあなたは選択しますか?
私の外来に来られる高齢妊娠の方は、元気な赤ちゃんであることを信じてほとんど産むことを選択しています。
愛し合う二人の赤ちゃんがほしいと、切に願う方たちであるからだと思います。
その気持ちがあればこそ、産まれてくる赤ちゃんに立派に接することができると思います、どんな場合にも。

 
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