女性外来コラム
第15回 妊娠と薬のSOS

1950年に開発されたサリドマイドという薬があります。
催奇形性があり問題となった薬ですが、この薬のスペシャルな効果のために再評価の試験が始まっていて、また薬局に置かれるようになるようです。
当時は催奇形性のため悲しい事件となりましたが、その為に妊娠と奇形の時期の関係が分かってきました。
さて特に薬を服用しない妊婦さんからも約1〜2パーセントの率で、新生児に何らかの奇形が認められます。
さらに内臓奇形など、その後に判明するものを含むと5パーセント程度まで増えます。

サリドマイド投与の経験からわかったことは、月経周期が28日型の妊婦さんでは月経初日から33日くらいまでは、児への奇形は考慮しなくともよいということです。
つまり影響を強くうけた卵子は、初期に流産してしまうと考えられます。
かりにうまく出生にあずかる場合は、染色体レベルか遺伝子レベルの問題であり催奇形性とは別というわけです。
でもこれって一見安心する内容とおもいますが、実はとても怖いことではありませんか。
つまり薬の影響をつよくうけて胎児は流産するか、万一出生した場合は染色体異常の可能性があるということにもなります。
ただ染色体レベルの異常であれば、妊娠15週に羊水検査で診断がつきます。

一番薬に敏感なのは、妊娠28週から50週目までです。
ちょうど胎児の重要な臓器ができあがる時期なのです。
予定月経が1週間遅れたら、妊娠可能の人はかならず妊娠を念頭に入れてください。
この時期を過ぎると、日増しに催奇形性の可能性が減少します。
特別な薬は、妊娠中期に投与できないこともありますが。

男性の場合は、精子形成期間をおよそ74日とすると受精前の3ヶ月以内に投与された薬の影響を考えます。
これは女性の妊娠初期の場合と同じで、強く影響を受けた精子は妊娠の成立にかかわらないか、万一出生にあずかった場合は染色体レベルの問題であり、催奇形性ないと考えられます。

最近、日本では<妊娠と薬情報センター>が設置され、各クリニックレベルでも詳細な情報を得られシステムが出来ています。
ただカウンセリング結果を受け取るまでには、一週間くらいかかりますから心配ですね。

 
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