先月あるホテルで、スタッフと会食をしたのです。
翌日は休診日だったので二日後に仕事に出て知りましたが、スタッフの一人が下痢と嘔吐で勤務を休んでいました。
更に前日の新聞で、そのホテルでノロウイルス感染が発生したとのこと。
私たちのフロアより上のフロアでの出来事とのことでした。
そのスタッフは若さもあり数日後には元気になり、仕事に復帰してきました。
不思議なことに、私たち10名あまりは同じ物を食べ同じフロアで行動していたにもかかわらず、彼女一人だけの感染でした。
そのスタッフは、かなり体脂肪の少ない小柄な女性でした。
ノロウイルスは貝類などを介して食中毒をおこし、また感染した人の糞便や嘔吐物そして乾燥した飛沫物から経口感染します。
悲しいかな、このウイルスは実験室で培養ができず検査や治療の研究がかなり遅れています。
ただ症状が辛いわりに死にいたることは稀で、免疫力の低下した老人が嘔吐物で窒息、嚥下性肺炎になったという報告はあります。
食中毒の原因は、カキやアサリ、シジミなどの二枚貝によるものが多いといわれます。
発症が冬に多いのは、カキを食するからのようです。
また排泄物から感染するいわゆる糞便感染は、ウイルスが人の腸壁細胞に感染して増殖し腸管内に排出されたり、嘔吐がある場合は少量の腸管内容を混入し嘔吐物として排泄されたりします。
このウイルスは少量でも感染が成立し、感染した嘔吐物から飛沫によって経口的に進入します。
症状のでない不顕性感染の人からも感染源になりますので注意が必要です。
飲食物を扱う人は十分に注意が必要で、まな板や調理器具を衛生的に保つよう心がけます。
またこのウイルスは85℃1分間以上の加熱によって感染性を失うため、十分な加熱が重要です。
有効な治療は見つかっておらず、主に対症療法となります。
止寫薬の使用は賛否両論があり、日本では好ましくないと言われています。
電解質の入った輸液を投与したり、家庭ではスポーツドリンクを人肌に温めて飲むことが勧められます。
今現在、有効なワクチンは開発されていません。
そして、2006年は日本で大流行しました。
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