女性外来コラム

第21回 最近、話題の過活動膀胱(OAB)

昼も夜も尿意をたびたび催し、時には尿がもれることはありませんか?
これはOABといい、2002年国際禁制学会で報告されました。
これまで不安定膀胱と言われていたものと腹圧性尿失禁が混在したような病態です。
水仕事をしたり、外出から帰って自宅のドアを開けた瞬間に尿意を感じることはありませんか?
OABでは、昼に8回以上トイレに行き、寝付いてから再び1回以上トイレに行きます。
そのため外出中、頻繁に尿意を感じるので電車やバスに乗れず家に閉じこもりがちになり、夜も熟睡できず身体の疲れも取れません。
つまり日常生活や精神状態において、QOLが著しく低下してしまいます。
OABは加齢と共に増加し、50歳以上では女性より男性に多い傾向があります。
これは男性の下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大等)が、影響していると考えられます。
しかし切迫尿失禁は、実に女性に多くみられ男性ではほとんど伴いません。

OABは排尿筋の不随意な収縮で起こり、その原因は

  1. 下部尿路の支配神経の障害
  2. 明らかに神経障害がない場合(前立腺肥大・加齢・骨盤底筋障害等)

と二つあります。
どうしたら予防・治療できるのでしょうか?

  1. 水分のとりすぎ注意、一日尿量1500ml程度を目標
  2. 膀胱訓練、尿意を感じてから5〜10分我慢してからトイレに行く
  3. 骨盤底筋の訓練
  4. 薬物療法

最近は膀胱選択性が高く副作用の少ない抗コリン剤が開発されています。
OABに似た症状で膀胱痛を伴う場合は、間質性膀胱炎を疑う必要があり膀胱の炎症や膀胱癌も鑑別診断しなければなりません。
また婦人科疾患からも類似の症状が起こることがありますので、なかなか治らないOABは他科の専門医の診察も考える必要があります。
OABは泌尿器科だけでなく、女性の場合は婦人科を受診するケースが多く、婦人科医もOABを熟知する必要があると考えます。

 
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