女性外来コラム

第24回 繰り返す流産について

2回も流産をくりかえせば、次の妊娠についても不安になるものです。
増してや3回も繰り返せば、悲観は深まるばかりです。
かつては反復流産の原因は、子宮頚管無力症・子宮筋腫・子宮奇形や内分泌異常がいわれていました。
最近は、抗核抗体や抗リン脂質抗体などの免疫異常が明らかになってきました。
器質的疾患であれば外科的治療をほどこし、内分泌異常についてはこれを是正し治療することができます。
免疫異常においても、副腎皮質ホルモンやヘパリン・低用量アスピリン療法が行われます。

しかし実際にはこれほど明確に分類はできませんし、治療も効をそうしません。
その上、原因不明の不育が45%をしめるとも言われています。

私も日頃外来診療のなかで、不思議に思ったり困ったりすることが多々あります。
卵管の開通を確認し、排卵もありタイミングもあい黄体期もしっかり上昇。
しかも黄体期は2週間以上つづき、一見妊娠かと期待するほどです。
これは、子宮内膜への着床不全と結果として初期流産なのでしょうか?
または、不育の検査過程で患者さんに抗核抗体陽性を確認したおり、確実な治療がないことに悩みます。
検査や治療の中には、実に高額なものがあり又治療にしても皮下注(しかも毎日投与)でしか使えなければ一般には使いようがありません。

原因不明の不育や抗核抗体陽性(つまりはっきりして治療が確立されていない場合)の場合は、低用量アスピリンや漢方薬を選択せざるをえない状況です。
最近私は、柴苓湯という漢方を多く使っています。
この中の成分である人参やぶくりょうが、抗凝固作用をもつと言われているからです。
妊卵の着床に何らかのよい影響を期待しています。

6〜12ヶ月の不妊不育?の治療の後、人工受精(AIH)にきりかえますがパートナーの条件がそれほど悪くないカップルでも、AIHが有効なことが稀でなくあります。

これらの治療をてがけて、何が喜びかといいますとやはり妊娠が成立し妊婦健診へと進んで行ったときです。
それまでの経過中、1〜2回しかお目にかかれなかった患者さんのパートナーも足しげく外来に足を運んでくれます。
胎児エコーを囲んで、3人で(私を含み)喜びを分かち合うのです・・・。
この笑顔が、私の大きな喜びです。

 
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