みえこ院長エッセイ
第15回 着物の下の、内なる心
 


先日、さる会食に着物で出席した。
メンバーは全員、古式ゆかしい着物をまとい、髪を結い上げ、素敵なスワロフスキー・ビーズ・古典的な帯締めをつけ熟練した着付けだった。
テーブルマナーの指導があり、宴後半で余興が始まった。
日本の古典的な楽器による弾き語りがあったが、演奏のはじめこそ多少のざわめきはあったものの演奏が佳境にはいるころには、ほとんどの人たちはシーンと見聞き入っていた。
この時、近くのテーブルの5〜6人のメンバーがひそひそと断続的におしゃべりを行い、挙句のはてには他のテーブルの人々もチラッとにらむ始末だった。同じ集団の一員として、恥ずかしく思いつつ座っていた。
このグループの指導的立場の方も美しく着付けをしてはいるが、そのジョークや発想はまさに反日本的であった。
そして、この日とても悲しく感じたのは美しい着物の下に相反するマナーを垣間見たことだった。

夏になり、花火大会や夕涼みのためか駅や電車の中で、浴衣姿の男女をよく見かける。
なぜかいつも女性の姿に目を向けてしまうが、現代的感覚で装うその姿に共感できない。
というより襟の開き具合・臀部のふくらみかた・歩き方・しゃべり方、どれをとってもしっくりとした着こなしができていない。
<ただのファッションなのかな>と悲しくなってくる。
   
最近、日本にはたくさんの外国人が、旅行だけでなく勉強や就業のために訪れる。
この中には日本の古典や芸術に興味をもち、柔道や合気道・茶道・華道と学ぶ人もいる。
外国人にとっては、目に見える芸術だけでなく、その奥にながれ精神にも魅力を感じるようだ。
日本人は、昔から猿まねがうまいといわれていた。
しかし日本の文化・芸術・しきたりは、元来日本独自のものだ。
もう一度原点にもどってよく考えてほしいと思う、日本の心を。


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