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久しぶりに海を渡った。
昔は団体旅行の経験しかなかったが、最近は個人旅行を経験している。
自分の目と口と耳そして足をつかっての旅は、スリルと疲労の連続であるが反面、満足感も味わえる素敵な経験だった。
そして海外で感じたのはふとした他人の温かさや笑顔そしてアイコンタクトだった。
その目は、青や茶や黒さまざまな色をしていた。
日本においては、私たちは海外からの訪問者に温かい笑顔で接しているだろうか?
ロンドンの街並みを歩き、カフェに座り道行く人を眺めてみた。
ハイドパークを散歩し、小鳥のさえずりを聞き、その中でサンデッキに腰をおろしてみた。
ゆったりとした田園の中を電車にのり、時間を感じる旅をした。
久しぶりにゆったりとした時間をすごし、行き交う人々を見ることができた。
いつもと違う環境の中で、いつもと違う人々をながめて、そして思った。
日本でのアクセクとしたゆとりのない生活を・・・。
毎日、目一杯のスケジュールをこなし、目標に向かって一心に進みそれを充実と感じていた。
お休みのスケジュールは、講演会やセミナーその合間はテニスや観劇・食事会で目一杯。
じっくりと自分を見つめたり、脳の情操領域をリフレッシュするひまは皆無だった。
ゆとりの生活とは・・・。
朝食はお腹を満たすだけでなく、器・盛り付け・テーブルの飾りまで気を配る、そんな生活。
紅茶を飲むときも、きちんとソーサーとカップを使って。
お休みのショッピングはジーパンではなく、お気に入りの着物やドレスをまとって。
疲れ果ててベッドに眠るときも、可愛いフリルのお気に入りのパジャマで。
息子をひとりロンドンに残してきた。
短期の海外生活の経験しかないはずなのに、彼の英語は私のそれよりもずっと相手に伝わった。
またネイティブの会話にポカーンとしている私に、通訳してくれた。
人混みや日常の生活の中では、逆に私を気遣い、帰国の空港では<さよならは、言わないよ>と言って、見送ってくれた。
これからのロンドンにおける彼の新生活よりも、母を無事に日本へ返すことのほうが心配だと言った。
大人になったものだ。
そして私は日本にもどり、元の生活にもどった。
少しずつ、ゆとりの生活に近づこうと焦りながら・・・。
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