みえこ院長エッセイ
第18回 おばあちゃん大好き
 


私のクリニックには、60歳以上の患者さんが時々みえる。
最高年齢89歳(港区からバス・地下鉄を乗り継いで1人でみえる)。
数年来のお付き合いの方は別として、新患として来られる方は診察室に入ってくるといつもバツが悪そうに話を始める。
今どきの女性外来は、自分には不似合いと思っているらしい。
確かに待合室には若い女性が多く、またカップルや時には泣き叫ぶお子さんを連れたお母さんもいる。

症状はいろいろ・・・子宮脱・萎縮性膣炎・過活動膀胱・自律神経失調症などなど。
どれも年齢と切り離せない疾患なので完治は難しい。
しかし治療により症状を随分抑えることができ、共感と説明により同意を得ることが出来る。
治療を開始し数週間後には、不安な表情は一変して、にこやかな顔になってくる。
そして待合室での違和感も薄れていると、信じているが・・・。
ご姉妹も口コミでやってきてくださることを思えば、やはり違和感はなくなっているのだろう。

実は私はおばあちゃんが大好きなのだ。
あばあちゃんと言わず、年上の女性はとても親近感が持てるのだ。
何故なのか少し自分を分析してみた。
姉が二人、母が忙しい為、お世話係だったチイ母さん、時々遊んでくれた看護師のお姉さん、時々からかわれた看護師のお姉さん、よく3時のお茶に誘ってくれたお台所のおばちゃん達。
わたしの家庭と生活環境は、結構女性社会だった。
お蔭で大学生活・社会人生活では同性の先輩に親しく接してもらうことができた。

だから?この診察室に訪れてくる年配の方には、初めて会っても昔からの知り合いのような近しい感覚を感じてしまう。
89歳の方には、いつも言っている<ずっと来てね>と。
彼女も笑ってうなずく。
この年(?)で、70歳の疾患を経験(診察)から知ってしまい、偉そうに説明や治療をする私って、鼻持ちならない?
でも私が心地よく感じる笑顔で、相手は応えてくれるのだからきっと納得なのだろう。
お姉さま方は。


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