みえこ院長エッセイ
第24回 身につかない着物着付け

がっかりしてしまった。
数ヶ月間袂に手を通さないブランクの後、先日久しぶりに着物を着てみた。
悲しいかな、着付けのこつを全く忘れてしまっていた。
歌舞伎のチケットが手に入り、やはり着物を着ずして何を着られようと重い腰をあげた。
昨年の最後の着付けから、すでに10ヶ月が経っていた。

前の晩から着物と小物を準備し、ハンガーにかけ完璧に着るはずだった。
当日少し寝坊はしたものの40〜50分のゆとりがあり、着付けが始まった。
細かいことは忘れても下着から着物までは問題なく進んでいったが、さて帯で苦労が始まった。
今考えてみて、まず二重太鼓にするはずが一重になっていた。
細部のこつとそのための準備を忘れたため、(ただでさえ後ろに腕が回らないのに)帯の仕上げがまったくゆがんでしまった。
ああ・・・時間が迫ってきた。
汗・汗・汗・・・。

猫の手が借りたい、そんな時娘たちが帰ってきた。
よかった、しかし帯締めまで終わり手をはなすとだらだらとお太鼓がくずれおちた。
隣にすむ友人を呼び出し、やっと出かけることができた。
やれやれ・・・。

観劇中そして幕間、トイレにたって襟元のバランスの悪さを見てびっくりした。
同席の友人はほめてくれたが、私の心は反省・反省だった。
歌舞伎という古典芸能のため、着物姿の方がちらほらと座っていた。
廊下やトイレでの目線が気になる。
もうこんな気持ちで、出かけたくない。
明日からまた着付けを復習して、今度は胸を張って歩きたい・鏡を見たいとつくづく思った。
昨年ご指導いただいたS先生、まことに申しわけない・・・。


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